すっかり季節は秋めいてきましたが、実は今年の7月に東京から富山県高岡市に移住しました。
毎日のように記事を書いたり取材したり写真を撮ったりしています。
あれは確か4月の半ば頃のこと。
友人のほりたさんから高岡市が地域おこし協力隊を募集しているという情報が飛び込んできました。
ほりたさんが小矢部市に移住したのは2018年。ひょんなことから2023年末に高岡市へ引っ越し、かれこれ6年ほど。私もこの6年、富山には折々に足を運んではその魅力を知っていきました。
大自然が近くて、美味しいものがたくさんあって、伝統的な文化があって、クリエイターにとってはとても良い環境だと思います。それでも、いつか移住できたら良いなと漠然と思っていたくらいでした。
東京でやってきたような仕事をしたくてもツテがないし、車の無い自分には生活のアテも無いために、なかなか踏ん切りもつかず……。
そんな折にこの募集ですから、願ってもないチャンスでした。
大急ぎで書類を準備して、書類審査と面接を潜り抜け、有難いことに「観光PRライター」として採用して頂き今があります。
東京での暮らしは良くも悪くも手の届く範囲で完結するものだったと思います。そこらじゅうに劇場があって、いつでも何かしらのエンターテインメントがあって、何かしらの撮影仕事があるし、欲しいものはすぐに手に入る。
でも、自然がとても遠かったんですよね。東京に住んでいると、森の香りを胸いっぱいに吸ったり、浜辺を散歩したりすることは簡単ではありません。
とにかくどこに行っても人がたくさんいて、空が狭くて……。
大好きだけど、私にとっては息苦しい街でもあります。
人間に必要なのは、心静かになれる場所で自分を見つめ直したり、自然の理から美しさとは何かを考えたりすることなのだと思います。
高岡市の自宅からは海にも山にも車で30分くらいでアクセスできます。国宝や文化遺産がそこら中にあって、歴史が、文化が息づく場所なんです。
これがどんなに素晴らしいことなのか、ずっとここで暮らしてきて当たり前になっている人にはもしかしたら分からないかもしれませんよね。
私だって、東京の良さに気づいたのはつい最近でしたから。便利だなあって。
東京で生まれ育ったけれど、東京で生まれ育ったからこそ、「ふるさと」みたいなものへの憧れがあったんでしょうね。ああ、自分がずっと欲しかったのはこういう風景だったと実感しました。
こういう自分だからこそ分かることがあって、伝えられることがあるのだと思います。
高岡という街のさらなる発展のためにも、かつての自分のような人のためにも、そしてアーティストとしてこれから世界に羽ばたいていく人たちのためにも、ここから発信していきます。
そのためにも、私が世界に羽ばたかないとな……。
つらつらと書きましが、何よりも美味しいインドカレー屋さんが多いから住んだ方がいいんです絶対に。ああ、口を開くとインドカレーの話ばかりしてしまう病がまた……。
インディラの美味しさをもっと世の中に広めていかなくては。そんな使命感もありつつ、高岡に暮らしています。
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